現代いけばな華飾り考しつらいというのは、しつらえることで、設け整える、飾りつけのことです。江戸時代の様式の格花は原則として、床の間の床に飾るもので、どのように飾られるのかが、格花のしつらいとなります。 床があり、その隣に違い棚や書院がついている形式の座敷が生まれたのは江戸時代からで、この床のもとは草庵茶室の床が一般座敷に取り込まれてからで、それまでの古い床の間では板敷で間口も二間半から三間と広く背後の壁は土壁でなく絵が描かれた押板床でした。1400年前後のこの頃は中国の宋元の絵画が日本に移入され、それを飾る場所として生まれたとされ、中国の茶碗.香炉.香合.花瓶.燭台の唐物の美術工芸品が渡来し、それらを違い棚や書院の机にならべられ鑑賞され、三具足等の飾り方が「君台観左右帳記」に記され花瓶に花がさされ、床飾りとしての鑑賞にたえるものとなっていきます。「座敷は躰、花は用也」という言葉のように座敷は入れ物、その中の働きを示すのがいけばなと考えられ、いけばなは床飾りの重要な役割を もつものとされました。 「抛入花伝書」1684によれば、掛け軸に朱の美しい牡丹の絵が描かれていたところから、その一幅を前にして竹の花入れをおき、シャガの葉の三枚を流しいれ、絵の牡丹に取り合わせたとあり、その他に、桜に春霞 のかかった絵の掛け軸の前に青磁の花器に水ばかりを入れて配した、いづれにしても大切にされたのは掛け軸との相応です。
格花は床の間の床飾りとして、床空間、あるいはそこに掛けられてる軸、さらに置物などとの調和配合といったところに演出工夫の妙味を発揮するのがしつらいの原理であり、格花を単なる花の美を鑑賞するにとどめず、床の間で鑑賞すべくしてうまれたものであることを認識し、さらに座敷での相応の大切さを認識しておきたいものです。 |